2020年9月、Ampere世代の第一弾としてGeForce RTX 3080 が世に出ました。その性能は驚異的で、前世代の最上位モデルであるRTX 2080 TiやRTX 2080 SUPERと比べてもその優位性を明らかにします。しかし、この高性能なハードウェアの可能性を最大限に引き出すためにはそれなりの条件が必要です。その条件とは何か、またRTX 3080 の性能を詳しく解析していきましょう。
価格、性能、そして消費電力についての情報をまとめています。
1. GeForce RTX 3080の性能スペック
ブランド | MSI |
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メーカー | MSI COMPUTER |
シリーズ | RTX 3080 VENTUS 3X PLUS 10G OC LHR |
製品サイズ | 30.48 x 5.59 x 11.94 cm; 1.37 kg |
商品モデル番号 | RTX 3080 VENTUS 3X PLUS 10G OC LHR |
商品の寸法 幅 × 高さ | 30.5 x 5.6 x 11.9 cm |
メモリクロック数 | 1740 |
グラフィックアクセラレータ | NVIDIA GeForce RTX 3080 |
GPUブランド | NVIDIA |
VRAMタイプ | GDDR6X |
VRAM容量 | 10 GB |
グラフィックカードインターフェース | PCI-Express x16 |
同梱バッテリー | なし |
商品の重量 | 1.37 kg |
そのパフォーマンスと特性
RTX 3080は、NVIDIAの最新世代のグラフィックボードで、Pascal世代のフラグシップモデルであるRTX 2080 Tiと比較して約17%、RTX 2080に対しては26%の性能向上が見られます。さらに、ゲームタイトルによっては40%以上の性能向上が見込めるほどです。これは、リアルタイムレイトレーシング(光の挙動を現実に近い形でシミュレートする技術)を活用するのに十分な力を持っています。
グラフィックボード | RTX 3080 | RTX 2080 Ti | RTX 2080 |
CUDAコア数 | 8704 | 4352 | 2944 |
GPU | GA102 | TU102 | TU104 |
GPUメモリ | 10GB GDDR6X | 11GB GDDR6 | 8GB GDDR6 |
トランジスタ数 | 283億 | 186億 | 136億 |
ベースクロック | 1440 MHz | 1350MHz | 1515MHz |
ブーストクロック | 1710MHz | 1545MHz | 1710MHz |
メモリクロック | 19.0Gbps | 14Gbps | 14Gbps |
メモリバス | 320 bit | 616 GB/s | 448 GB/s |
TDP | 320W | 250W | 215W |
RTX 3080 10GBの特徴
- Ampere世代のフラグシップモデル
- RTX 2080 Ti以上の性能を約10万円で手に入る
- 消費電力が大きく、冷却システムへの配慮が必要
- RTX 3070よりもBTOパソコンのラインナップが少ない
- 搭載モデルのコスパは低め
性能を最大限に引き出すための注意点
RTX 3080の高性能を活かすためには、適切なバランスの取れたCPUと組み合わせることが必要です。しかし、Core i9-10900Kと組み合わせても100%の性能を引き出すことは難しく、Core i7シリーズやRyzenシリーズでは物足りなさを感じるかもしれません。
そこで、GPU負荷を高めてCPU負荷を薄めるという手法が有効です。具体的には、高解像度でのゲームプレイが最適となります。フルHDではGPU負荷に強すぎてCPUの許容範囲を超えてしまいますが、4K解像度などの高解像度でプレイすることでGPU負荷を高め、CPUの負荷を範囲内に収めることができます。この結果、RTX 3080の本来の力を発揮することが可能となります。
誰にとって最適なのか?
RTX 3080は、その高性能さゆえに全てのユーザーにとって最適とは言えません。多くのユーザーにとって、これほどの性能は必要ないでしょう。しかし、その性能向上はRTX 3070やRTX 3060などのミドルクラスやハイクラスのモデルに対する期待を高めています。これらのモデルはフルHD環境でも最高峰の性能を手にすることができるようになります。
RTX 3080と他のモデルとの比較
グラフィックボード | RTX 3080 | RTX 3080 Ti | RTX 3090 |
CUDAコア数 | 8704 | 10240 | 10496 |
GPU | GA102 | GA102 | GA102 |
GPUメモリ | 10GB GDDR6X | 12GB GDDR6X | 24GB GDDR6X |
トランジスタ数 | 283億 | 283億 | 283億 |
ベースクロック | 1440 MHz | 1365 MHz | 1395 MHz |
ブーストクロック | 1710MHz | 1665 MHz | 1695MHz |
メモリクロック | 19.0Gbps | 19.0Gbps | 19.5Gbps |
メモリバス | 320 bit | 384 bit | 384 bit |
TDP | 320W | 350W | 350W |
RTX 3080 10GBは、その後にリリースされた上位モデルであるRTX 3080 Ti、RTX 3090 Ti、と比べると性能的にはやや劣るかもしれません。しかし、その絶対的な評価は変わらず依然としてトップクラスのモデルであると言えます。その性能を活かすためには適切なCPUや高解像度のゲームプレイなど、注意が必要ですがその結果として得られるリアルタイムレイトレーシングの体験は他のモデルでは得られないものです。
RTX 3080の性能:CUDAコア数が魅力
RTX 3080のスペックにおいて注目すべきはCUDAコア数です。それはRTX 2080 Tiの4352基からほぼ倍増の8704基を搭載しているからです。これはプロセスが12nmから8nmへと縮小化された結果、より多くのトランジスタが搭載できたことの恩恵です。
ただし、CUDAコア数の多さだけではその性能は決まらないことを忘れてはいけません。なぜならCUDAコア数が増えたとはいえ、RTX 2080 Tiと比較するとダイサイズは17%小さいため、世代が異なることから純粋に比較することは難しいからです。しかし、その多さはRTX 3080が新世代のグラフィックボードとしての高い性能を持つことを示しています。
メモリ規格:GDDR6Xと10GBの容量
RTX 3080のもう一つの特徴として、メモリ規格がGDDR6Xで容量が10GBとなっている点が挙げられます。これは、RTX 2080 SUPERよりも25%多い容量です。さらに、メモリクロック・メモリ帯域幅・バス幅では、前世代のTuring世代を圧倒しています。メモリクロックはRTX 2080 Tiの14.0Gbpsから19.0Gbpsへと大幅に向上しています。
これらの特性から見てもAmpere世代ではメモリ周りの強化が大きいことがわかります。この強化が、RTX 3080の高性能に大いに貢献しています。
電源容量:大容量が必要
RTX 3080のTDPは、RTX 2080 Ti/RTX 2080 SUPERよりもおよそ30%高い320Wとなっています。これは、消費電力が高いため搭載する電源容量を多めに見ておく必要があることを示しています。したがって、大容量の電源を搭載するコストを考慮するとRTX 2080 SUPER搭載モデルと同じ価格での提供は難しいかもしれません。
処理性能:メモリ周りの影響が大きい
RTX 3080の性能はそのスペックからも明らかに見て取れますが、これには一部制約が存在します。高負荷の状況では、RTX 2080 Tiよりも安定性に若干の疑問が残る場合があります。これは、グラフィックボードの処理能力と安定性がメモリ周りの影響を大きく受けるからです。そのため、実際の使用状況によっては新たな性能チェックが必要になることもあります。
RTX 3080:新世代GPUのパワー
ここまでの議論を通して、RTX 3080がRTX 2080 Tiよりも高性能であることは間違いありません。新世代のGPUが一世代前の上位モデルよりも性能が向上するのは一般的なパターンですが、今回のRTX 3080のスペックの進化は予想を超えるものでした。この新世代のGPUは、ゲーム体験に新たな可能性をもたらすことが期待されます。
しかし、RTX 2060でさえもスペック不足とは言えない現在のゲーム事情を考えるとRTX 3080がこれまでと同様の人気を集めるのは難しいかもしれません。ただし、4K解像度で高リフレッシュレートが可能なゲームやモニターが登場すれば、その評価は変わるかもしれません。そのような高解像度・高リフレッシュレートの環境を実現できる性能は、RTX 3080には確かに存在します。
これから登場するであろう高性能なゲームに対してRTX 3080の存在は期待できますね!
その特性と注意点
RTX 3080 10GBを購入を考えている方は、RTX 3080 12GBも視野に入れてみると良いでしょう。後発モデルのRTX 3080 12GBはCUDAコア数の増加やメモリ周りの強化が図られ、RTX 3080 10GBと比べて約5%の性能向上が見られます。これら二つのモデルの価格差は約4,000円と小さく、価格差がこれだけであれば性能向上向きの12GBモデルの方が魅力的に感じられるかもしれません。しかし、これはあくまで理論値上の性能であり実際のゲーム性能はゲームの最適化状況や使用状況によります。
また、RTX 3080は高負荷の状況では熱を多く発生します。これは、パワフルなGPUが高負荷で動作する際の避けられない結果です。そのため、RTX 3080を選択する際は、冷却機構が十分に機能するPCケースや、適切なエアフローを提供する冷却ファンを用意することをおすすめします。
さらに、RTX 3080は電力消費も高いため、電源ユニット(PSU)の容量も十分に確保することが必要です。NVIDIAは最低750WのPSUを推奨していますが、システム全体の負荷や他のコンポーネントにより、それ以上の容量が必要な場合もあります。
RTX 3080の消費電力とその影響について
RTX 3080は高性能なグラフィックカードですが、そのパワーは消費電力の増加というデメリットももたらします。ゲームプレイ時(高負荷)とアイドル時の消費電力(W)を比較すると、RTX 3080の消費電力はRTX 2080 Tiよりも20%、RTX 2080よりも30%も高いです。アイドル時はやや落ち着いているものの、負荷がかかると一気に電力消費が増加します。
この消費電力の高さは、冷却システムや電源ユニット、エアフロー(ファンなど)への投資を必要とします。これらのコストを考慮すると、GPUの価格がRTX 2080 SUPERと同程度でも、搭載モデルの価格には大きな差が生じる可能性があります。
RTX 3080搭載モデルの価格は想定よりも抑えられている
2020年9月の登場時点で、RTX 3080搭載モデルの価格は想定よりも抑えられていました。ドスパラ、パソコン工房、G-Tuneなどで販売され、価格帯は219,980円~299,980円となっています。これはRTX 2080 SUPER搭載モデルの登場時と同じぐらいです。一部のモデルはすでに売り切れとなっており割高ではありますが、RTX 2080 SUPER搭載モデルを市場から消すには十分な価格設定と言えます。
RTX 3000シリーズで変わるGPU選び
RTX 3000シリーズからは、プレイ環境(フルHDかWQHD以上か)によってGPUを選ぶことになります。これはユーザーにとって性能を理解しやすいメリットとなりますが、一方でショップにとっては人気が分断される可能性もあります。どのショップがどういった構成や組み合わせで価格設定を行うのかは今後の見所です。
以上の点を踏まえ、RTX 3080は高性能ながらも消費電力が高いというデメリットがあること、そしてそれが搭載モデルの価格に影響を及ぼす可能性があることを理解することが重要です。しかし、その一方で想定よりも価格が抑えられている現状も見逃せません。新世代のRTX 3080はゲームを快適にプレイすることが可能で前世代のハイクラス以上の性能を持つことから、どんな環境でも快適にプレイできる幅を提供しています。
しかし、その高性能がユーザーを選ぶことで需要が偏る可能性も指摘されています。そのため、今後の市場動向と各ショップの価格設定が注目されます。さらに、RTX 3000シリーズからはプレイ環境によってGPUを選ぶという新たな選択肢が生まれています。これにより、ユーザーにとっては性能を理解しやすくなる一方、ショップにとっては人気が分断される可能性もあります。
以上の情報を踏まえて、RTX 3080やその他のRTX 3000シリーズを選ぶ際には各自のプレイ環境と予算、そして期待する性能をしっかりと考慮することが求められます。それぞれの条件を満たす最適な選択をするためには、常に最新の情報をチェックし、各製品の特性を理解することが重要となります。
RTX3080FPS比較
timespy
項目\グラボ | RTX2070 | RTX2080 | RTX3070 | RTX3080 |
スコア | 9653 | 10603 | 13227 | 15582 |
FF15(4K高画質)
項目\グラボ | RTX2070 | RTX2080 | RTX3070 | RTX3080 |
スコア | 4074 | 4591 | 5819 | 7517 |
ApexLegends(OBS配信)
項目\グラボ | RTX2070 | RTX2080 | RTX3070 | RTX3080 |
平均FPS | 167 | 172 | 178 | 223 |
3080搭載おすすめゲーミングPC
ブランド | LIGHTNING THUNDER |
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メーカー | LIGHTNING THUNDER |
商品モデル番号 | LT-I10-RT39-S48 |
カラー | RTX 3080 |
フォームファクタ | タワー |
CPUブランド | Intel |
CPUタイプ | Intel Core i9 |
CPU速度 | 3.7 GHz |
RAM容量 | 32 GB |
メモリタイプ | DDR DRAM |
HDD容量 | 2 TB |
ハードディスク種類 | SSD, HDD |
オーディオ出力 | ヘッドフォン |
グラフィックアクセラレータ | Nvidia Ge Force Rtx 3080 |
GPUブランド | NVIDIA |
通信形式 | Wi-Fi |
ハードウェアプラットフォーム | Windows |
OS | Windows 10 Pro |
まとめFAQ
Q1: RTX 3080の消費電力はどの程度高いのですか?
A1: RTX 3080の消費電力は非常に高いと言えます。具体的には、RTX 2080 Tiよりも約20%、RTX 2080よりも約30%も高いです。特にゲームプレイ時(高負荷時)には消費電力が大幅に増加します。そのため、このGPUを使用する場合は冷却システムや電源ユニットなどの熱対策にも注意が必要です。
Q2: RTX 3080の価格はどの程度ですか?その価格設定は適正と言えますか?
A2: RTX 3080の価格帯は219,980円~299,980円となっています。これは、RTX 2080 SUPER搭載モデルの登場時と同じぐらいの価格帯です。そのため、性能の向上を考えると、価格は抑えられていると評価できます。ただし、一部のモデルはすでに売り切れとなっていますので具体的な価格はショップや時期により変動します。
Q3: RTX 3000シリーズの選択時にはどのような観点を考慮すべきですか?
A3: RTX 30シリーズの選択時には、まず自身のプレイ環境を考慮することが重要です。これは、RTX 30シリーズからプレイ環境によってGPUを選ぶ新たな選択肢が生まれたためです。また、予算や期待する性能も重要な選択基準となります。特に、RTX 3080のように高性能なモデルを選ぶ場合は、高い消費電力とそれに伴う熱対策を考慮する必要があります。