今回は2020年4月10日に発売された大型タイトル「FINALFANTASY Ⅶ REMAKE」の感想・レビューをしていきたいと思います。
良かった点・悪かった点など個人的に感じた事をまとめていきます。
参考までに私自身のプレイ歴は
- オリジナル版FFⅦを発売日にプレイ。数回クリア
- リメイク版は発売日にPS4版を購入
- プレイ時間は約80時間
- トロフィー全コンプ済み
なので一通りやり込んだ後のレビューとなります。
私のFF歴は4,5,6,7,8,9,10,12,13,14(オンライン)。
好きなナンバリングは7→6→10の順でスーパーファミコン時代からFFをプレイ。
「神ゲーなのかクソゲーなのか」という点に関しては、先に答えると「神ゲーと呼んでも問題ない作品」だと感じました。
微妙に感じたり不便に感じたりする場面はありましたが、良かった点の方が大きく上回ったので自分の中では神ゲー認定しています。
しかしメインとなるストーリーは、分作なので当然ですが未完で終わっており次回作以降評価が変わってくるかもしれません。
FFⅦリメイクは一本道?
正直最初に感じたのは「一本道のムービー重視なRPG」なんですよね。
しかし、プレイしていくとFFⅦリメイクはチャプター毎に分かれているので「一本道のRPG」というより「ステージクリア制のアドベンチャー」という印象が強くなりました。
「一本道のRPG」と聞くと好みが分かれそうな感じですが、一本道だと「演出面を重視できる」メリットがあるので一概に悪とは言い切れません。
魅力的なキャラクター・声優による演技で映画を見ているような感覚になり、物語に引き込まれます。
FFⅦリメイクの最大の売りは「大人気だったFFⅦのキャラ達を現行のスペックで再現・プレイできること」に尽きると思うので問題にはなりにくいです。
FF13の再来なんて声もありますが、初期から町や寄り道となるサブクエもあるので13ほど一本道では無かったです。
ディスるわけではないですが、ムービー→バトルの繰り返しの13は少し極端だったかな。
私自身は一本道のRPGより昔の探索型RPGやオープンワールドor箱庭ゲーの方が好きですが、それでもFFⅦリメイクは面白いと感じ楽しめました。
ストーリーの濃さや再現性
本作は元々1本のゲームを分作に分けて販売しており、リメイク版はミッドガル脱出までとなっています。
原作のミッドガルは序盤も序盤、初見プレイでも3~4時間で終わる内容なので「ミッドガルまでで1本のゲームにしてしまうと内容がスカスカになるんじゃないか?」と不安に思う人も多いと思います。
実際自分はそうでしたし。
しかし実際にプレイしてみた感想は「全くそんな事はなく、非常に充実していて満足できた」
とにかくストーリーが丁寧に再現されていたという印象。
特にアバランチメンバーとの交流や心情を描いたストーリーは原作ファンとしては嬉しい追加要素でした。
NPCの何気ないセリフも再現されていたりするので思わずニヤニヤしてしまう事も。
七番街スラムで再会を喜び抱き合ってそのまま寝てしまうカップルなど一言一句セリフが当時のそのまま再現されていたりするので「ここまでやるのかスクエニ」と異常なほどの作り込みに驚かされました。
その反面、物語の重要キャラクターが登場しても説明不足(登場時期的に仕方ないですが)な点が気になるかもしれません。
「あのキャラは一体なんだったんだろうか」など。
原作や派生作品をプレイ・鑑賞済みの人向けに作られている印象があったので未プレイの人にはストーリーがわかりにくいかも?
とはいってもミッドガルは序盤までのお話なので、謎は多くても仕方ないかもしれませんが。
グラフィックとBGMが素晴らしい
グラフィックは文句なしに素晴らしいです。
特にメインキャラ達は表情豊かに表現されているので感情移入がしやすくストーリーにのめり込めました。
ミッドガルの街並みもプレート上層部・スラム街・魔晄炉などダークな雰囲気そのままにリアルに再現されたのは感動すら覚えたレベル。
特に物語後半に訪れる「神羅ビル」の作り込みは凄まじいので当時のプレイヤーには是非体験してもらいたいです。
ただ一部の小物やモブキャラなどテクスチャが荒いと感じる部分もあります。
特にモブキャラはPS2レベルだったりしますが、これは流石に仕方ないかなと。
ストーリーに絡むわけではないので気にならないと思う。
BGMもアレンジがメインですが良曲揃い。特に戦闘BGMである「戦う者達」と「更に戦う者達」は数パターンある気合の入り方。
物語を大きく盛り上げてくれたのは間違いないですね。
新規の曲としては「陥没道路」のフィールド+戦闘BGMが個人的にお気に入り。
調べてみたらFF13の「閃光」などを作曲した浜渦氏が手掛けたらしく、オシャレな雰囲気とスタイリッシュさを感じる素晴らしい曲だと思いました。
ロード時間について
どれだけグラフィツクや演出が凄くても読み込み(ロード)時間が長ければせっかくの盛り上がった気分が台無しに感じたりする事もありますよね。
気になるFFⅦリメイクのロード時間ですが「ほとんど気にならないレベル」でした。
シームレスな世界での戦闘やムービーに移行するロードは全く気にならなかったです。
あえて欠点を言うならマップの一部では読み込み時間を稼ぐために狭い通路をゆっくり進んだり急に歩き始めて走れなくなったりする事があります。
自分はあまり気にならなかったり演出の一環だと思っていたので大丈夫でしたが、せっかちな人にはもしかするとストレスに感じてしまう事があるかもしれません。
でもそこまで頻繁にあるわけでも無いので問題点というのは酷な気もしますが…。
FFⅦリメイクは「チャプター制」なのでチャプターが切り替わる際はそこそこ長めのロードが入ります。
ボリュームについて
クリアまでの時間は約30時間、サブクエまで終わらすと約35時間と言われています。
個人的には長くも短くもないといった印象。
演出(ムービー)の質が最初から最後まで高く、飽きずに進められるので不満と感じる事はありませんでした。
しかしムービーの量が多いので全スキップしたらマイナス10時間くらいにはなりそう。
クリア後のメインとなるやり込み要素が
- キャラ+マテリア育成
- バトルシュミレーター攻略
- HARDモード追加
くらいなので、もう少し要素があっても良かったかなとは思います。
特にキャラレベルはクリア後なら即カンストできるのであっさりしすぎに感じるかも。
HARDモードや裏ボスは攻略しがいがある難易度なので満足しています。
戦闘について
リメイク版で大きく変わったのが「戦闘がアクション」になった事。
原作は昔ながらのコマンド式バトルだったのでアクションが苦手な方は不安に思った人も多いでしょう。
しかし実際は「ATBバーを貯め、アビリティや魔法を駆使して戦う」といった昔のRPGに近い仕様になっています。
もちろん回避やガードといったアクション要素もありますが、「ATBバーを上手く活用する」のが重要であり戦略面の方が強いのでアクションが苦手な人でも遊びやすいのではないでしょうか。
戦略を組み立て、バースト状態の敵にリミット技を叩き込むなど爽快感もあり戦闘システムはかなり面白かったです。
攻撃ボタン連打ではなくコマンドをしっかり使っていくアクションRPGといえば「聖剣伝説シリーズ」や「テイルズシリーズ」に近いかもしれません。
しかしそんな戦闘システムにも不満はあり、カメラワークが悪いと多くの場所で言われています。
飛んでいる敵も多く、カメラが見切れたりロックオンシステムの追尾性能も低いので敵を見失いやすくストレスに感じました。
更にロックオンした状態もわかりにくいので次回作では改善してほしい事の1つですね。
戦闘の難易度はCLASSIC、EASY、NORMAL、HARDの4種類あるので自分に合ったものを選べます。
基準となるNORMALの難易度は「少し高め」。
強ザコやボスなどはHEATゲージを貯めてバースト状態にしたり弱点属性を突いたりしないと苦戦してしまう戦略性を重視した作りになっており、ボタン連打のゴリ押しでは勝てないバランスとなってます。
HARDモードは本編をクリアしないと選べません。
クリア後のやり込み要素の1つなので自信がついたらチャレンジしてみるのも良いでしょう。
かなり難易度が高く、歯応えがあるのでおすすめ。
戦闘やアクションが苦手な人はCLASSICやEASYがあるので大丈夫。
EASYは敵の体力が低く、HEATゲージが溜まりやすくなっているので誰でもサクサク遊べる難易度になっています。
CLASSICはキャラクターが自動で移動やガードをしてくれるのでコマンドだけを選ぶ旧作タイプに近い仕様で、難易度はEASYと同じ。
ストーリーの水増しについて
ストーリーの水増しについての意見が目立っていますが、「そう感じる部分はある」というのが正直な感想です。
引き延ばしと感じる場面もありました。
例えば原作だと10分かからない程度のエアリスを家に届けるシーンや列車墓場などリメイクでは一時間以上掛かったりするので、物語のテンポが若干悪いと感じるかもしれません。
特にサブクエである「なんでも屋」は昔ながらのおつかいクエなので、もう少し工夫があったら嬉しかったかな。
特にストーリーに絡む事もないので「やってもやらなくても変わらない」という印象が強いです。
全体的に見ると数も多くなくサクサク出来るけどやり込むまではいかない内容なので単調というのが残念でした。
一部のサブクエではストーリーを深堀りしたり、ミニゲームもあります。
分作について
FFⅦリメイクが分作だと知った時、正直に言いますと「金儲けに走ったか…ガッカリ」と感じてしまいました。
元々は1本だったゲームが分作で、しかもフルプライスとかありえないという気持ちが強かったです。
でもFFⅦは自分が好きだったゲームの1つですし、例えクソゲーだったとしてもプレイしてみるかと。
そして実際にプレイしてみたらそんな不安は消し飛ぶほど良質なゲームだと気づかされました。
圧倒的なグラフィックに表情豊かなキャラがフルボイスで喋りまくる。
そりゃこんだけ作り込んだら分作になるわな、と感じたわけです。
分作という事で、いずれ完結してから完全版を購入しようと思っている人も居ると思います。
しかし今後の展開で予測できない部分が多く、友達や家族などと考察し合う楽しみも大きいので分作だからと警戒するのは非常にもったいないと思える出来でした。
ラストについて
ネタバレなしなので、あまり詳しい事は書きませんがラストの展開が賛否両論ある内容だと思います。
海外は日本より先に発売されておりラストの展開が大きな議論を呼んだと耳にしていましたが、実際に見て「これは意見がわかれるな」と感じましたね。
ちなみに自分は「こういうのも有り」派です。
公式ガイドブック「アルティマニア」で開発者の方々のコメントも収録されていますが、ディレクターの野村哲也氏が「原作を大事にする」と発言されているので今度どうなっていくか予想がつきません。
アルティマニアでは開発の裏話など結構語ってくれているので読んでて面白かったです。
さいごに
さいごに個人的に良かった点と悪かった点をまとめると
- 現行スペックでFFⅦが再現
- ストーリーが深堀され感情移入しやすい
- 演出や声優のレベルがかなり高い
- 長いロードは基本無し
- 戦闘システムが面白いリスト
- 自由度が低め
- サブクエの必要性
- 戦闘中のカメラワーク・ロックオン問題
- 分作なのに発売スケジュールが未定
こんな感じになります。点数を付けるとしたら85点。
悪かった点はあえて書いたのでそこまで問題ではなく、それ以上に良かった点の方が大きく目立っている作品だと感じました。
FFⅦリメイクの最大の弱点は「次回作がいつになるか未定」な事に尽きます。
しかしこのレベルのものが直ぐ出来るとは思えないし、急いで手抜き制作されるのはもっと辛いですからね。
大人しく待ちましょう…。
余談になりますが2005年にPS3でFFⅦが再現され「いよいよリメイクか!?」と期待されて15年が経ちました。
そして2015年に待望のリメイク化が発表され5年。待つのに疲れたというのが本音です。
しかしリメイク版をプレイしてみて、「やっぱりFFⅦは凄い」と再確認できましたね。
待つのはもう無理だと思っていたけど「このレベルだったら待ってみよう」「そして次回作をプレイしたい」と強く思うようになりました。
FINALFANTASY Ⅶ REMAKEは分作タイトルといえど中身は濃い内容になっているので、気になっているならプレイしてみる事をおすすめしますよ。