2025年、NVIDIAから新たに登場したグラフィックボード「RTX5070」と「RTX5070Ti」。 どちらも高性能で注目を集めており、ゲーミングPCや動画編集、3Dレンダリングなどさまざまな用途に対応できる実力を持っています。
しかし、いざ購入しようとすると「どっちを選べばいいの?」「値段の差に見合う違いはあるの?」と悩む人も多いはずです。 この記事では、RTX5070とRTX5070Tiのスペックや性能、使い勝手、価格面のちがいを詳しく解説していきます。
あなたの用途や予算にぴったりの一枚が見つかるよう、初心者でも理解しやすい言葉でじっくりと比較していきます。
RTX5070とRTX5070Tiのスペック比較
まずは、両モデルのスペックを表で確認してみましょう。
項目 | RTX5070 | RTX5070Ti |
---|---|---|
CUDAコア数 | 7,680 | 8,704 |
ベースクロック | 1.8GHz | 1.9GHz |
ブーストクロック | 2.5GHz | 2.7GHz |
メモリ容量 | 12GB GDDR6X | 12GB GDDR6X |
メモリバス幅 | 192bit | 192bit |
消費電力(TDP) | 約225W | 約265W |
推奨電源容量 | 650W | 750W |
市場価格 | 約8万円〜 | 約10万円〜 |
このように、基本的な設計は似ていますが、RTX5070Tiのほうがコア数やクロック数が上で、より高い性能を持っています。
ただし、その分消費電力も高くなり、必要な電源ユニットの容量も大きくなります。
メモリの重要性について
RTX5070とTiモデルはどちらも12GBのGDDR6Xメモリを搭載しています。これは動画編集や大規模なテクスチャデータを扱うゲームなどでとても重要な要素です。
以前の世代(RTX3070や3060Ti)では8GBが主流だったため、12GBの恩恵は大きく、複数の作業を同時にこなす「マルチタスク」でも威力を発揮します。
また、GDDR6Xは転送速度が速いため、読み込みや処理速度にも差が出る場合があります。特に4K解像度でのプレイやVRコンテンツでは、この高速メモリが大きなアドバンテージになります。
ゲーミング性能のちがい
グラフィックボードの一番の注目ポイントといえば、やはり「ゲームでどれだけ快適に動作するか」でしょう。 RTX5070とRTX5070Tiでは、実際のフレームレートやゲーム体験にどれほどの差があるのでしょうか?
フルHD(1080p)環境
フルHD環境では、両モデルとも最新ゲームを非常に快適にプレイできます。 軽量なタイトル(例:Fortnite、Valorant、Apex Legendsなど)では、240FPS以上の高フレームレートも可能です。
RTX5070でも十分ですが、Tiモデルにすることでさらに安定性やフレームドロップの少なさが実感できる場面もあります。
WQHD(1440p)環境
WQHDでは、RTX5070でも非常に快適ですが、重めのゲームやレイトレーシングをONにする場合、Tiモデルの恩恵が出てきます。 フレームレートの落ち込みが少なく、144Hzや165Hzモニターとの相性も良好です。
4K(2160p)環境
4Kゲーミングを本格的に楽しみたい場合、RTX5070では設定を調整しないと快適とは言えません。 一方で、RTX5070TiはDLSSと組み合わせれば4Kでも滑らかなプレイが可能。
重いゲーム(Cyberpunk2077やHogwarts Legacyなど)では、Tiモデルのパワーが頼りになります。
VRゲームではどっちが強い?
VR(バーチャルリアリティ)ゲームでは、通常のモニターゲームと比べてGPUの負荷が高くなります。両目分の映像をレンダリングし、高フレームレートを維持しなければならないためです。
その点で言えば、RTX5070Tiのほうがやや有利です。
- VRChatなどの軽量タイトル → RTX5070でも快適
- Half-Life: Alyx、Flight Simulator VRモード → RTX5070Tiが安定
将来的なVRヘッドセットの進化を考慮するなら、性能に余裕があるTiモデルが安心です。
ベンチマークスコアの比較
実際のゲームベンチマークのスコアを見ても、RTX5070Tiの方が10〜20%前後の性能差があるとされます。
平均フレームレート比較(WQHD)
ゲームタイトル | RTX5070 | RTX5070Ti |
Apex Legends | 約170FPS | 約195FPS |
Call of Duty MW3 | 約120FPS | 約138FPS |
Cyberpunk 2077(RT ON) | 約55FPS | 約66FPS |
Hogwarts Legacy | 約80FPS | 約95FPS |
このように、特にグラフィック負荷の高いゲームで性能差が出やすいです。
ベンチマークの注意点
ただし、ベンチマークのスコアは実際の使用環境やドライバーの最適化状況によって変化するため、必ずしもすべてのゲームで20%の性能差が出るとは限りません。
また、RTX5070Tiの性能を引き出すには、しっかりした冷却環境と電源設計が前提になります。予算の都合で他パーツが妥協になってしまうようであれば、無理にTiを選ぶ必要はありません。
消費電力と冷却性能の違い
静音性を重視する人にとっての選び方
静かな環境で作業したい人や、寝室などでPCを使う人にとって、ファンの音は意外と気になるポイントです。
RTX5070はTDPが抑えめなため、ファンが静かに回るモデルが多く、静音PCにも向いています。 一方でRTX5070Tiは高負荷時にファンが高速回転しやすいため、静音性を重視するなら「3連ファン」「静音設計モデル」などを選ぶと良いでしょう。
価格とコストパフォーマンス
グラボ以外の予算配分も考慮しよう
グラフィックボード選びでよくある失敗例のひとつが、「GPUに全予算を使ってしまう」ことです。
RTX5070であれば、余った予算で以下のようなアップグレードが可能です:
- 高速なSSD(Gen4)を追加してロード時間を短縮
- メモリを32GBに増設して快適さアップ
- より発色がきれいな144Hzモニターにする
RTX5070Tiはそのぶんの投資価値がありますが、「GPUだけ高性能でも全体がボトルネックになる」リスクもあるため、システム全体のバランスを重視しましょう。
クリエイティブ用途での活用
ゲーム以外にも、動画編集・画像処理・3Dレンダリングなどのクリエイティブ用途でもGPUは大活躍します。
動画編集(Premiere Proなど)
RTX5070でも4K編集が可能で、エフェクトやカラコレなどの処理もスムーズ。 ただし、複数の映像レイヤーやAfter Effectsとの連携を考えると、Tiモデルの方が快適です。
3Dレンダリング(Blenderなど)
RTX5070は小〜中規模のレンダリングに向いていますが、大規模な3DプロジェクトやリアルタイムレンダリングにはRTX5070Tiが安心。
AIツールとの連携
近年はAI画像生成(Stable Diffusionなど)でもGPUが活用されます。 メモリ帯域や演算性能の高さが求められるため、RTX5070Tiの方が優位です。
DaVinci Resolveなど、特定ソフトとの相性
DaVinci ResolveやFusionなど、GPUアクセラレーションに対応している編集ソフトでは、RTX5070Tiの高クロックとCUDAコア数の多さが効果的に働きます。
また、After Effectsのプラグインや3DソフトでのGPUレンダリング(Octane、Redshiftなど)においても、Tiのほうが効率良く処理が進む場面が多くあります。
どんな人にどちらがおすすめ?
ここでは、用途別におすすめのモデルをまとめます。
RTX5070が向いている人
- 予算をできるだけ抑えたい
- フルHDやWQHDでゲームを楽しみたい
- 軽めの動画編集や配信もやりたい
- 静かで電力効率のよいPCを組みたい
RTX5070Tiが向いている人
- 高画質・高フレームレートでゲームをしたい
- 4K環境やVRでプレイしたい
- 動画編集や3D制作をがっつりやる
- 将来のゲームにも長く対応できるようにしたい
CPUとの相性とおすすめ構成例
グラボの性能を最大限に発揮するには、CPUとのバランスも重要です。
おすすめ構成(Intel編)
- RTX5070 → Core i5-14600、i7-14700
- RTX5070Ti → Core i7-14700、i9-14900K
おすすめ構成(AMD編)
- RTX5070 → Ryzen 5 7600、Ryzen 7 7700
- RTX5070Ti → Ryzen 7 7700X、Ryzen 9 7900X
「CPUが足を引っ張る=ボトルネック」が起きないよう、しっかりした組み合わせを心がけましょう。
RTX4070シリーズとの比較で見る立ち位置
RTX5070シリーズは前世代の4070シリーズの後継にあたりますが、実際にはRTX4070TiとRTX5070が近い性能を持っているというレビューも多く出ています。
簡易比較
項目 | RTX4070Ti | RTX5070 | RTX5070Ti |
---|---|---|---|
コア数 | 7,680 | 7,680 | 8,704 |
メモリ | 12GB GDDR6X | 同左 | 同左 |
消費電力 | 約285W | 約225W | 約265W |
パフォーマンス | 高 | 高 | さらに高 |
このように、RTX5070は4070Tiに匹敵する性能を持ちながら消費電力が抑えめなのが大きなポイントです。
結論:どっちを選ぶべき?
最終的に重要なのは、「今の自分の使い方と、将来どう使いたいか」です。
- 今すぐゲームを快適にプレイできて、コストを抑えたい → RTX5070
- これから数年、重たいソフトや4Kゲームでも余裕を持ちたい → RTX5070Ti
どちらを選んでも、5000番台の恩恵で次世代ゲームやAI処理にしっかり対応できるパフォーマンスが得られます。
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